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2025.12.19
ブレーキマスターの整備・点検
12月に入ってだいぶ寒くなってきましたね。今日はブレーキの修理事例をご紹介します。
ブレーキマスターとは、ブレーキペダルを踏んだ力を油圧に変えて、各車輪のホイールシリンダ―へ伝える部品です。
ここが正常に働くことで、ペダル操作に応じて安定した制動力が出ます。
内部にはピストンやスプリング、ゴム製のシール(カップ)があり、ブレーキフルード(オイル)を押し出して圧力を作り、踏むのをやめれば元の位置へ戻ってブレーキを解除します。
ブレーキマスターの故障で代表的なのが「内部シール(カップ)の劣化」と「ブレーキフルードの劣化によるサビと固着」です。
内部シールはゴム製なので、年数が経つとシールが硬くなったり傷んだりして、内部で油圧漏れが起きます。油圧漏れが起きると踏んでも圧が十分に上がらず、ブレーキの効きが弱くなります。
ブレーキフルードは吸湿する性質があり、交換を怠ると空気から取り込んだ水分が増えてサビが発生します。サビが進むとピストンの動きが渋くなったり、戻らなくなったりして、ブレーキの引きずりの原因になります。
そのほかにも、フルード不足による空気の混入、整備不良や異物混入、長時間動かさないことによる内部腐食などが、故障を早める要因になります。
ブレーキマスターが故障すると、最も危険なのが「止まりたいときに止まれない」ことです。
内部で油圧が漏れるとブレーキを踏んでも効きが弱い、踏んでいるのにペダルが沈むといった症状が出て、制動距離が伸びます。その結果、追突や衝突につながります。
サビによる固着や戻り不良が起きると、ブレーキが完全に戻らず引きずった状態になります。引きずりは発熱を招き、走るほど熱を持ってブレーキの効きが落ちます。また、制動力の低下だけでなく、最悪は火災のリスクも否定できません。
ブレーキマスターを故障させないために、長持ちさせる基本は、ブレーキフルードの管理と早期発見です。
定期的なブレーキフルードの交換や量の点検をし、ブレーキフルードが急に減るようであれば漏れの疑いがあります。
ブレーキの踏んだ感覚に敏感になり、普段よりペダルが沈む、柔らかいなどもフルードの漏れや空気の混入の疑いがあります。
ブレーキは「まだ大丈夫」が通用しないことがあります。違和感が出たら早めに点検し、必要なら修理や交換を行うことが大切です。
修理のご依頼は是非リフト商事までご連絡ください。
